
19歳の息子がプレス・ギャングに連行されたことを知った父親は、
貿易船の船長をしていた頃のツテを使って、すぐさまハリッチ号のカートレット船長(Captain
Carteret)と交渉を試みます。著名な船長の息子ということもあってか、さすがに下船までは許されなかったものの、彼の海軍内の階級を少尉候補生(midshipman)まで特別に引き上げてもらうことに成功しました。
徴兵されたといっても一生出られないというわけではなく、ある程度の兵役を終えれば解放されることになっていたようで、少尉候補生として大人しく役務をこなしていきさえすれば、ジョンの将来はまだ見通しがきく状態にあったはずでした。しかし、軍艦の上でも頭の中は彼女のことでいっぱいだった彼は、手を焼いてくれた父親や船長の信頼を裏切るかのような行動に出たのでした。
| 元帥 | Admiral of the Fleet |
|---|---|
| 大将 | Admiral |
| 中将 | Vice Admiral |
| 少将 | Rear Admiral |
| 准将 | Commodore |
| 大佐 | Captain |
| 中佐 | Commander |
| 少佐 | Lieutenant Commander |
| 大尉 | Lieutenant |
| 中尉 | Sublieutenant |
| 少尉 | Acting Sublieutenant |
| 少尉候補生 | Midshipman |
| 准尉 | Warrant Officer |
| 曹長 | Chief Petty Officer |
| 軍曹 | Petty Officer |
| 一等兵 | Leading Seaman |
| 二等兵 | Able Seaman |
| 三等兵 | Ordinary Seaman |
ちょうどこの頃、オーストリア継承戦争から発展したイギリス・フランス間の植民地戦争は、東インド周辺にも及んでいました。ジョンは、1745年の初頭に軍艦ハリッチ号が東インドへ展開することを知ると、彼は最低でも4~5年は戻って来れないことを直ぐに悟りました。5年近くも彼女に会えなくなることがどうしても耐えられなかった彼は、なんと食料調達を命じられ船を離れた隙にそのまま脱走を試みたのです。
しかし彼の自由はたった2日間しか続かず、すぐに捕らえられて船に戻されてしまいます。脱走は最悪の場合処刑まであり得る重大な違反行為で、彼の処遇はカートレット船長の一存にかかっていましたが、彼の父親との関係も考慮されてか何とか処刑は免れ、階級を最低ランクの三等兵(Ordinary Seaman)へ格下げすることで事態は収拾したのでした。
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