超絶技巧練習曲より「マゼッパ」

フランツ・リスト(Franz Liszt/1811-1886)

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リスト:超絶技巧練習曲

『マゼッパ (Mazeppa)』は、フランツ・リスト『超絶技巧練習曲 第2版』の第4曲。交響詩としても知られる。 

原曲は、『24の大練習曲』(1838年頃)の1曲、練習曲ニ短調(作品1-4)。

ヴィクトル・ユゴーの叙事詩『マゼッパ Mazeppa』に感銘を受けて作曲したと言われ、1840年に改作した際に『マゼッパ』と題名が付けられた。

ちなみに、マゼッパとは、ロシア帝国の支配に対するウクライナ・コサック最後の大反乱を起こしたイヴァーン・マゼーパ(Ivan Mazepa/1639-1709)のこと。現代ではボフダン・フメリニツキーに次ぐウクライナ第二の英雄とされる。

【YouTube】Transcendental Etude No. 4 "Mazeppa"

超絶技巧練習曲とは?

『超絶技巧練習曲(Transcendental Etudes)』は、フランツ・リスト作曲による「ピアノのための12の練習曲」。

名前の通り、非常に高度な演奏技巧を要するが、決して何から何まで超絶技巧の会得を目的としたわけではない。

「transcendante」という言葉には宗教的な意味があり、「超越」、つまり肉体、精神、魂、これらの全てを超越するという意味合いがある。

初稿は、リストが15歳の1826年にフランスとドイツで出版された。10年後の1837年にはパリ、ミラノ、ウィーンにて第2稿『24の大練習曲 Op.6』(実際には12曲)が出版され、リストの師匠カール・ツェルニーに献呈された。

1840年には『マゼッパ』を改作。1852年に第3稿を出版した。今日もっとも頻繁に演奏されているのはこの第3稿である。

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【楽譜】 リスト集 3 超絶技巧練習曲全12曲ほか収録曲
1.超絶技巧練習曲第1番前奏曲
2.超絶技巧練習曲第2番イ短調
3.超絶技巧練習曲第3番風景
4.超絶技巧練習曲第4番マゼッパ
5.超絶技巧練習曲第5番鬼火
6.超絶技巧練習曲第6番幻影
7.超絶技巧練習曲第7番エロイカ
8.超絶技巧練習曲第8番狩り
9.超絶技巧練習曲第9番回想
10.超絶技巧練習曲第10番ヘ短調
11.超絶技巧練習曲第11番夕べの調べ
12.超絶技巧練習曲第12番雪かき
13.パガニーニによる大練習曲第1番ト短調
14.パガニーニによる大練習曲第2番変ホ長調
15.パガニーニによる大練習曲第3番ラカンパネラ
16.パガニーニによる大練習曲第4番ホ長調
17.パガニーニによる大練習曲第5番ホ長調
18.パガニーニによる大練習曲第6番イ短調
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20.三つの演奏会用練習曲第2番軽やかさ
21.三つの演奏会用練習曲第3番ため息
22.二つの演奏会用練習曲第1番森のささやき
23.二つの演奏会用練習曲第2番こびとの踊り