マーモット(マルモット)
ベートーヴェン/Das Lied des Marmottenbuben, Op. 52-7
『Marmotte(マーモット/マルモット)』は、ベートーヴェン(ベートーベン)による1805年出版の歌曲集『Acht Lieder Op. 52(8つの歌曲 作品52)』の第7曲。
今日では、歌曲としてではなく、ピアノソロやバイオリン向けの演目として用いられることが多いようだ。
写真:カリフォルニア州ヨセミテ国立公園のマーモット
日本でのタイトルの表記は、『旅芸人』、『旅人の歌』、『マーモット使いの少年の歌』など様々。
歌詞は、ドイツの詩人ゲーテによる1773年の風刺劇『Jahrmarktsfest auf Plundersweilern』の一節から採られたもの。マーモットと共に諸国を巡る旅芸人の少年が描かれている。
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ベートーヴェン歌曲集 『マーモット』 Op. 52-7 収録 69歳でおしくも他界したプライ。青春のきらめきを最後まで失わなかったバリトンは,音楽史に残る存在だ。ここでは30代前半の,瑞々しくつややかな声が,まず嬉しい。 |
マーモットってどんな動物?
マーモット(マルモット/Marmot)とは、ヨーロッパやアジア、北米などの高地や山岳地帯に生息するげっ歯目リス科の動物。アルプスマーモットとも呼ばれる。
飼い慣らしやすく芸を覚えることから、昔のヨーロッパでは、大道芸や客寄せの演目に盛んに用いられていた。フランスの詩人ヴィクトル・ユーゴーの小説『レ・ミゼラブル(ああ無情)』(1862年)にも、マーモット使いの少年が登場するくだりが見られる。
ちなみに、実験に用いられる「モルモット」は、テンジクネズミ属の一種で、マーモットとは別の生物。英米ではギニアピッグ(ギニアの豚)、カーヴィー(cavie)と呼ばれている。
【試聴】ベートーヴェン『マーモット』
歌詞の意味・日本語訳(意訳)
Ich komme schon durch manches Land,
Avec que la marmotte,
Und immer was zu essen fand,
Avec que la marmotte.
いろんな国を旅してきた
マーモットと一緒に
なんとか食べ物にありつきながら
マーモットと一緒に
Refrain:
Avec que sí, avec que là,
Avec que la marmotte.
<繰り返し>
あっちへ こっちへ
マーモットと一緒に
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