ジゼル Giselle

ロマンティックバレエ/貴族アルブレヒトと村娘ジゼルの恋

『ジゼル(Giselle)』は、フランスの作曲家アドルフ・アダン作曲によるバレエ作品

ラ・シルフィード』、『白鳥の湖』とともに「三大バレエ・ブラン(Ballet Blanc;白のバレエ)」のひとつに数えられるロマンティックバレエの代表作。

ジゼル Giselle バレエ

1841年6月28日、パリ・オペラ座で初演された。後の改訂時にヨハン・ブルグミュラーとレオン・ミンクスが曲を追加している。

ドイツの詩人ハイネによって紹介されたオーストリア地方の伝説に着想を得て作られた。

2幕物で、第1幕の昼間の森の場面と、第2幕の夜の場面の対照が印象的。主人公が死装束で踊る唯一のバレエ作品といわれる。

【YouTube】Giselle: Complete Ballet

【YouTube】東京バレエ団「ジゼル」(上野水香&高岸直樹)

第一幕 あらすじ・ストーリー

身分を隠した貴族アルブレヒトと村娘ジゼル

ジゼルは、身体は弱いが笑顔を絶やさない踊り好きな娘だった。アルブレヒトは貴族である身分を隠し、名をロイスと偽って彼女に近づく。

二人は想いを通わせるが、ジゼルに恋する村の青年ヒラリオンには面白くない。彼はアルブレヒトが普段の衣装や剣をしまう小屋を見つけ、村の青年ではないことを暴く。

裏切られたショックで息絶えるジゼル

ある時、ジゼルの村に貴族が狩の途中に立ち寄ると言う。それはアルブレヒトの婚約者バチルダだった。ヒラリオンはアルブレヒトの剣を持ち出し、ジゼルの前に婚約者バチルダと公爵を連れて、その身分を暴いてしまう。

もはや言い逃れのできないアルブレヒトは、婚約者バチルダの手にキスをする。それを見たジゼルは気が動転し、髪を振り乱して錯乱し、母の腕の中で息絶えてしまう。

第二幕 あらすじ・ストーリー

森の精霊ウィリーの女王ミルタ

森の沼のほとりの墓場。ここでは結婚を前に亡くなった処女の精霊・ウィリーたちが集まる場所。ジゼルはウィリーの女王ミルタによってウィリーの仲間に迎え入れられる。

ジゼルの墓に許しを請いにやってきたヒラリオンは鬼火に追い立てられる。ここではウィリーたちが夜中に迷い込んできた人を死ぬまで踊らせるのである。

ジゼルの墓を訪れたアルブレヒト

ウィリーたちがヒラリオンを追う間、ジゼルを失った悲しみと悔恨にくれるアルブレヒトが彼女の墓を訪れ、亡霊となったジゼルと再会する。

ヒラリオンはウィリーたちに捕らえられ命乞いをするが、女王ミルタは冷たく突き放し死の沼に突き落とす。

精霊ウィリーに捕らえられるアルブレヒト

ミルタはアルブレヒトをも捕らえ死に追いやろうとする。アルブレヒトが最後の力を振り絞り踊るとき、朝の鐘が鳴り、ウィリーたちは墓に戻っていく。

ジゼルは朝の光を浴び、アルブレヒトに別れをつげて消えていくのであった。

参考:ストーリーの解釈

アルブレヒトが戯れであったか本当にジゼルを愛していたかは、ダンサーなどにより解釈が異なる。

ユーリー・グリコローヴィチ版以降、第二幕ではジゼルがアルブレヒトを許しウィリーたちから守るという解釈をすることも多い。

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