ホテル・カリフォルニア Hotel California 歌詞の意味 和訳と解釈

ヒッピー文化が最盛期を迎えた1969年とカリフォルニアとの関係とは?

『Hotel California』(ホテル・カリフォルニア)は、イーグルス(Eagles)が 1977年2月にリリースした楽曲。架空のホテルを舞台として、暗喩(あんゆ)を多用した意味深な歌詞が特徴的。

歌詞に登場する「1969年」とは、カリフォルニア州を中心にアメリカを席巻した「ヒッピー文化」が最盛期を迎えていた年。舞台のホテルが「カリフォルニア」であることと大きく関連している(詳細は後述する)。

ホテル・カリフォルニア イーグルス リマスター版

ジャケット写真:ホテル・カリフォルニア リマスター版

このページでは、まずイーグルス『Hotel California』の英語の歌詞を和訳するともに、歌詞の意味・解釈についての作曲者のコメントを参考にしながら、時代的背景である1960年代後半のヒッピー文化について簡単に解説してみたい。

【YouTube】 Hotel California (2013 Remaster)

歌詞の意味・和訳(意訳)

『Hotel California』

作詞・作曲:ドン・フェルダー(Don Felder)、ドン・ヘンリー(Don Henley)、グレン・フライ(Glenn Frey)

On a dark desert highway
Cool wind in my hair
Warm smell of colitas
Rising up through the air

暗い砂漠のハイウェイ
涼しい風が髪をなでる
コリタスの穏やかな匂いが
あたりに立ち込める

<注:コリタスとは砂漠に咲くサボテンの花で、マリファナ(マリワナ)の暗喩でもある。>

Up ahead in the distance
I saw a shimmering light
My head grew heavy
And my sight grew dim
I had to stop for the night

遠くにかすかな光が見える
頭は重くなり 視界はかすんでいた
今夜はもう休まなければ

There she stood in the doorway
I heard the mission bell
And I was thinking to myself
“This could be Heaven or this could be Hell"

入口に女が立っていて
礼拝の鐘が聴こえた
俺は自分に問いかけた
「ここは天国か それとも地獄か」

Then she lit up a candle
And she showed me the way
There were voices down the corridor
I thought I heard them say

女はロウソクを灯して
俺を案内した
廊下の先から聞こえた声は
こんな風に言っていた

“Welcome to the Hotel California
Such a lovely place
Such a lovely face

Plenty of room at the Hotel California
Any time of year
You can find it here"

「ようこそホテル・カリフォルニアへ
とても素敵な場所
とても素敵な外観

たくさん部屋があるホテル・カリフォルニア
一年中いつでもご利用できます」

Her mind is Tiffany-twisted
She got the Mercedes bends
She got a lot of pretty, pretty boys
That she calls friends

彼女はティファニーに夢中
メルセデス・ベンツにもご執心
素敵な彼氏達もたくさんいる
彼女は「友達」と呼んでいる

<注:bends(ベンズ)とbenz(ベンツ)の言葉遊び>
<注:ティファニーは「高級ブランド・高級装飾品」の象徴、ベンツは「高級車」の象徴としての意味合い>

How they dance in the courtyard
Sweet summer sweat
Some dance to remember
Some dance to forget

彼女たちは中庭で踊ってる
甘い夏 ほとばしる汗
思い出に浸るダンスや
忘れたい気分のダンスも

So I called up the Captain
“Please bring me my wine"
He said, “We haven’t had
That spirit here since 1969"

俺はマスターを呼んだ
「ワインを頼む」
彼は言った
「1969年から そういうお酒は
置いていないんです」

<注:spirit(スピリット)は「酒」と「精神」のダブルミーニング>

<注:大事に保管され熟成されたワインは、伝統的な文化や精神の象徴。それが1969年以降、失われてしまったとの意味合い>

And still those voices
Are calling from far away
Wake you up in the middle of the night
Just to hear them say

そしてまだその声は
遠くから聞こえている
真夜中に目を覚まさせ
その声はこう聞こえるんだ

“Welcome to the Hotel California
Such a lovely place
Such a lovely face

They living it up at the Hotel California
What a nice surprise
Bring your alibis"

「ようこそホテル・カリフォルニアへ
とても素敵な場所
とても素敵な外観

みな楽しく過ごしています
ホテル・カリフォルニア
なんて素敵な驚き
アリバイをご用意ください」

<注:アリバイとは、その場所にいなかったことを証明するための証拠のこと。つまり、このホテルは居たことが知られてはいけないようなヤバイ場所だということ。>

Mirrors on the ceiling
The pink champagne on ice
And she said:
“We are all just prisoners here
Of our own device"

鏡張りの天井
氷の上にピンク・シャンパン
彼女は言った
「私たちは皆ただここで
自分自身のオリに囚われてる」

And in the master’s chambers
They gathered for the feast
They stab it with their steely knives
But they just can’t kill the beast

支配人の部屋へ
宴に集まる人々
鋭いナイフで突き刺すが
獣を殺すことはできない

Last thing I remember, I was
Running for the door
I had to find the passage back
To the place I was before

最後に覚えているのは
俺がドアへ走っていった事
見つけなければ
元の場所へ戻る道を

“Relax," said the night man
“We are programmed to receive
You can check out any time you like
But you can never leave!"

「落ち着いて」夜警が言った
「私たちは受入れるよう指示されてる
あなたはいつでもチェックアウトできる
だが決してここを去る事はできない!」

作曲者のコメント

『Hotel California』を作曲したドン・ヘンリー(Don Henley)は、2007年9月11日の英デイリー・メール紙にて、歌詞の意味・解釈について次のように説明している(ウィキペディアより引用)。

幾つかのこの曲の歌詞の拡大解釈には大変驚かされ続けている。この歌詞の内容はアメリカ文化の度を越した不品行と私達の知合いだった女の子達についてだった。しかし芸術と商業主義との危ういバランスについてでもあった。

この説明では、次の3つの内容が上げられている。

1.アメリカ文化の度を越した不品行

2.知合いだった女の子達について

3.芸術と商業主義との危ういバランス

これらは、歌詞の内容を合せて考えると、それぞれ具体的に次のようなテーマが対象となっているように思われる。

1.1960年代後半のヒッピー運動

2.快楽主義・ブランド志向の拝金主義

3.1970年代以降のコーポレイト・ロック(産業ロック)

ヒッピー運動の中心地がカリフォルニア州だったことを考えると、この3つの中でメインとなるのは、おそらく最初の「1960年代後半のヒッピー運動」に伴う「アメリカ文化の度を越した不品行」というテーマだと思われる。詳細は後述する。

「快楽主義・拝金主義」については歌詞にあるとおりで、奔放で高級ブランド好きな女性の様子が描写されている。「知合いだった女の子」というのはあくまでも建前だろう。

「芸術と商業主義との危ういバランス」については、派手なライブや強いコマーシャル性を特徴とした商業主義的なスタジアム・ロック(産業ロック)の台頭(1970年以降)を目の当たりにして、作曲者は何か思うところがあったのかもしれない。

1960年代後半のヒッピー運動について

ヒッピー(hippie, hippy)とは、1960年代後半のアメリカにおいて、旧来の価値観や性規範に対抗するカウンターカルチャー (Counterculture) の一翼を担った若者を指す。

彼らは愛と平和、薬物・ドラッグ、自然、不特定多数との自由な肉体的交渉(いわゆるフリー〇ックス)など、既存の道徳や伝統的な文化に対抗する革命的な運動を繰り広げた。

カリフォルニア州はヒッピーの聖地とされ、アメリカ中から何十万人ものヒッピーらがサンフランシスコなどに集結した。

爆発的な盛り上がりを見せたのは1967年夏。カリフォルニア州サンフランシスコのヘイト・アシュベリーで10万人のヒッピーが集会を行い、社会に大きな衝撃を与えた。

この集会は「サマー・オブ・ラブ(Summer of Love)」と呼ばれ、同年にリリースされたビートルズ『オール・ユー・ニード・イズ・ラブ(All You Need Is Love)』は彼らのテーマソングとなった。

翌年の1968年には、映画「イージーライダー」でヒッピーが大きく取り上げられ、主題歌『Born to Be Wild』と共に大きな注目を集めた

1969年 ヒッピー時代の頂点

『ホテル・カリフォルニア』の歌詞にある「1969年」は、ヒッピー時代の頂点を示す象徴的な音楽イベントが二つ開催された年。

一つ目は、1969年8月15日から3日間ニューヨーク州サリバンで開催された野外コンサート「ウッドストック・フェスティバル(Woodstock Music and Art Festival)」。ヒッピーや若者ら約40万人が集った。

二つ目は、1969年12月にカリフォルニア州オルタモントで開催された無料のロックフェスティバル「ウッドストック・ウェスト」。正式名称は「オルタモント・フリーコンサート」。

ローリング・ストーンズ主催の無料コンサートで、こちらもヒッピーら若者が集結し、集客人数は20万人から50万人とも言われている。麻薬中毒と思われる者らが多数会場に入り込み、会場内ではLSDなどのドラッグが公然と配られた。

コンサートが始まると、観客は薬物により正気を失い暴徒化。ミック・ジャガーは錯乱した観客に顔面を殴られ、アーティスト側はまともに演奏できる状態ではなかった。

乱闘の末、警護を担当したバイク集団が観客の一人を殴打しナイフで刺殺。二人の若者は車に轢かれ、錯乱状態の一人は用水路に落ちて死亡し、合計4人の死者を出す惨事となった。

これを「オルタモントの悲劇」としてマスコミがセンセーショナルに報道。ローリング・ストーン誌はこのイベントを「ロックンロールにとって最悪の日」と綴っている。

1970年以降ヒッピー運動は勢いを失くし、やがてロンドンやニューヨークでパンク・ロックを中心に発生したサブカルチャーが台頭すると、アメリカの主流メディアはヒッピー文化の終焉を報道した。

イーグルス ベスト盤

イーグルス ベスト盤

ジャケット写真:イーグルス ベスト盤

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