ブラック・ナザレ祭 フィリピン

世界史・国際関係トピックス

フィリピンの首都マニラにあるキアポ教会(Quiapo Church)で毎年1月9日に開催されるブラック・ナザレ祭(the procession of the Black Nazarene)。

上写真の中央の十字架は、スペイン統治時代に布教活動で用いられた黒いキリスト像。この像に触れると病が治る、奇跡の力を授かると信じられ、毎年大勢のカトリック信者が参加する。

黒いキリスト像ブラック・ナザレは、通常黄色い衣装をまとっているため、ブラック・ナザレ祭に集まった信者たちもそれに合わせて黄色いシャツを着ている。

毎年200万人近い参列者がブラック・ナザレ祭に参加し、2007年には400回目という歴史的な節目も迎えている。

ブラック・ナザレ像が安置されるキアポ教会(Quiapo Church)

信者たちは、黒いキリスト像ブラック・ナザレを乗せた台車を数十メートルのロープで引き歩き、リサール公園からマニラの通りを十数時間かけてパレード行進し、再びキアポ教会に戻ってくる。

キアポ教会(Quiapo Church)の祭壇

ちなみにナザレ(Nazareth/Nazarene)とは、イスラエル北部の都市の名前。イエス・キリストが幼少期から公生涯に入るまでを過ごした土地であり、「ナザレのイエス」と新約聖書にも記述があることから、キリスト教徒にとっては非常に重要な意味合いをもった土地の名前といえる。

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