ハイサイおじさん 歌詞の意味

甲子園の応援曲として有名な沖縄ソング 実在するモデル 怖い逸話も

『ハイサイおじさん』は、沖縄県のミュージシャン「喜納昌吉&チャンプルーズ」により1976年に発表された沖縄ソング(ウチナーポップ)。

「ハイサイ」とは、沖縄の方言(うちなーぐち)で、「こんにちは」を意味する。出会ったときのあいさつ言葉。女性形は「ハイタイ」。

喜納昌吉&チャンプルーズ

志村けんの持ちネタ「変なおじさん」はこの曲の替え歌として有名。また、高校野球の沖縄県代表校が甲子園で演奏する応援曲にもよく使われている。

過去には、歌詞の内容が「高校野球の応援歌として不適切」との抗議が沖縄タイムズに寄せられ、2010年の数日間、『ハイサイおじさん』が使用自粛・禁止となる騒動もあった。

ちなみに、「おじさん」には実在したモデルがおり、ちょっと怖い逸話も残されている。おじさんのモデルと怖い逸話については、歌詞の意味の後で簡単に解説する。

【YouTube】ハイサイおじさん 喜納昌吉 チャンプルーズ

歌詞の意味

『ハイサイおじさん』の歌詞では、少年のおじさんの間で繰り広げられる他愛のない会話が描写されている。

ウチナーグチ(沖縄方言・沖縄弁/琉球方言)で書かれているため現地の人でないと難解。歌詞を次のとおり引用して、その標準語(ヤマトグチ)での意味を掲載してみたい。

ハイサイおじさん ハイサイおじさん

昨夜(ゆうび)ぬ三合ビン小(ぐゎ)
残(ぬく)とんな
残(ぬく)とら我(わ)んに
分(わ)きらんな

ありあり童(わらばー)
いぇー童(わらばー)
三合ビンぬあたいし
我(わ)んにんかい
残(ぬく)とんで言ゆんな
いぇー童(わらばー)

あんせおじさん 三合ビンし
不足(ふずく)やみせぇーら
一升(いっす)ビン我(わ)んに
呉(くぃ)みせーみ

<引用:『ハイサイおじさん』一番の歌詞より>

こんにちはおじさん
夕べ飲んでた酒はあるかい?
残ってるなら分けておくれ

おいおい小僧 やい小僧
三合ビン程度の酒でこの俺に
残ってるかと聞いてるのか
やい小僧

じゃあおじさん
三合ビンじゃ足りないなら
一升ビンをおくれよ

ハイサイおじさん ハイサイおじさん

年頃(とぅしぐる)なたくと
妻(とぅむ)小(ぐゎ)ふさぬ
うんじゅが汝(いやー)ん子(ぐわ)や
呉(くぃ)みそうらに

ありーあり童(わらばー)
いぇー童(わらばー)
汝(いやー)や童(わらばー)ぬ
くさぶっくいて
妻(とぅむ)小(ぐゎ)とめゆんな
いぇー童(わらばー)

あんせおじさん
二十(はたち)や余(あま)て三十過ぎて
白髪(しらぎ)かみてから
妻(とぅむ)とめゆみ

<引用:『ハイサイおじさん』二番の歌詞より>

こんにちはおじさん

年頃になったので
嫁さんをもらいたい
おじさんの娘をもらえませんか?

おいおい小僧 やい小僧
おまえはガキのくせに
ませていて
嫁がほしいというのか
やい小僧

じゃあおじさん
二十歳を越して三十過ぎて
白髪になってから嫁さんもらうのか?

ハイサイおじさん ハイサイおじさん

おじさんカンパチ
まぎさよい
みーみじカンパチ
台湾はぎ

ありあり童(わらばー)
いぇー童(わらばー)
頭(ちぶる)んはぎとし
出来やーど
我(わ)ったー元祖(ぐゎんすん)ん
むる出来やー

あんせおじさん
我(わ)んにん整形しみやーい
あまくまカンパチ
植(い)いゆがや

<引用:『ハイサイおじさん』三番の歌詞より>

こんにちはおじさん

おじさんのハゲ大きい
ミミズハゲ
台湾ハゲ

おいおい小僧 やい小僧
ハゲは優秀なんだ
祖先もみんな出来が良い

じゃあおじさん
おいらも整形して
あちこちハゲを植えようかな

ハイサイおじさん ハイサイおじさん

おじさんヒジ小(ぐゎ)ぬ
をかさよい
天井(てぃんじょ)ぬ
いぇんちゅぬ
ヒジどやる

ありあり童(わらばー)
いぇー童(わらばー)
汝(いやー)やヒジヒジ笑ゆしが
ヒジ小(ぐゎ)ぬあしがる
むてゆんど

あんせんおじさん
我(わ)んにん負きらん
明日(あちゃー)から
いぇんちゅぬヒジ小(ぐゎ)
立てゆがや

<引用:『ハイサイおじさん』四番の歌詞より>

こんにちはおじさん

おじさんのヒゲは
こっけいだ
天井にいる
ネズミのヒゲだ

おいおい小僧 やい小僧
ヒゲヒゲ笑ってるが
ヒゲがあるから栄えるんだ
やい小僧

じゃあおじさん
おいらも負けずに
明日からネズミのヒゲを
生やそうかな

ハイサイおじさん ハイサイおじさん

昨日ぬ女郎(じゅり)小(ぐゎ)ぬ
香(か)ばさよい
うんじゅん一度
めんそーれー

ありあり童(わらばー)
いぇー童(わらばー)
辻(ちーじ)、中島(なかしま)
渡地(わたんじ)とぅ
おじさんやあまぬ 株主ど

あんせんおじさん
毎日(めーなち)あまにくまとーて
我(わ)んねー貧乏(ひんすー)や
たきちきゆみ

<引用:『ハイサイおじさん』五番の歌詞より>

こんにちはおじさん

夕べの女郎は色っぽかったぞ
おじさんも一度は行ってみなよ

おいおい小僧 やい小僧
辻 中島 渡地と
おじさんはあそこらの株主だぞ

それじゃあおじさん
毎日あそこに入り浸ったら
おいらはひどい貧乏になっちまうのかい?

おじさんのモデルと怖い逸話

『ハイサイおじさん』の「おじさん」には、実在したモデルがおり、その「おじさん」については、次のような怖い逸話がまことしやかにネットで拡散されている。

その内容はオカルトや創作ホラーの域を出ないが、参考までにご紹介したい。くれぐれも話半分(またはそれ以下)で。

以下、共同通信社の編集委員室が作る企画ページ「アジアに広がる「花」の歌 ミュージシャン喜納昌吉(きな・しょうきち)」から引用。

女の子が毛布に包まれて横たわっていた。父親が『なぜこの子の足は冷たいの』と毛布を取ったら首が無い。父親は魂を落としたような顔で、しばらく言葉を失った。

母親が自分の娘をまな板に乗せて斧で首を切り落としたのである。さらに母親はその頭を釜で煮て、「自分の娘を食べて何が悪い!」と叫んだ。

後、その母親は自殺、父親は酒に溺れてゆく。

「顔を出すと僕に向かって古い民謡を歌う。ハイサイ(こんにちは)と声を掛けて僕も酒をあげる。それを繰り返しているうちに歌を作ってあげようね、と急に思った。ダンダダンダダンとリズムが生まれてきて」。

不思議な感動だった。最初の作品「ハイサイおじさん」は、こうして生まれた。まだ高校生だった。

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