美しきパースの娘 セレナード 歌詞の意味・和訳

NHKみんなのうた『小さな木の実』原曲を含むビゼーのオペラ作品

『美しきパースの娘』(La jolie fille de Perth)は、19世紀フランスの作曲家ジョルジュ・ビゼーが1866年に作曲したオペラ。

第2幕と第4幕で歌われるアリア『セレナード(Serenade)』は、1971年にNHK「みんなのうた」で初回放送された日本の歌『小さな木の実』原曲として知られる(編曲されている)。

また、第2幕で歌われる二重唱の伴奏メロディは、ビゼー『アルルの女』第2組曲に『メヌエット』として転用されている。

スコットランドのパースとテイ川

写真:スコットランドのパースとテイ川(出典:Wikipedia)

オペラの原作は、19世紀スコットランドの詩人ウォルター・スコットによる小説『The Fair Maid of Perth』(フェア・メイド・オブ・パース)。

「パース」とは、13世紀から15世紀までスコットランド王国の首都であったスコットランドの都市名を指している。

このページでは、『小さな木の実』原曲となったアリア『セレナード(Serenade)』について、歌詞の意味・和訳を掲載しておく。

ちなみにセレナードとは、愛する女性の家の前で夜に求愛する男性の切ない心情を歌う曲のこと。女性は2階の窓やベランダからそれを聴いているシチュエーションが多い。日本では「夜曲」、「小夜曲」とも表記される。

【YouTube】セレナード(Serenade)Juan Diego Florez

あらすじ・ストーリー

オペラ『美しきパースの娘』の舞台は、14世紀スコットランドの王都パース。主人公は、婚約を間近に控えたキャサリン(ソプラノ)とヘンリー(テノール)。

些細なトラブルが原因で、互いに不貞を働いたと相手を誤解してしまう。2人の愛憎劇は、領主やジプシーの女王らを巻き込んで一大事となるが、最後は誤解が解けて結ばれる。

『セレナード』歌詞の意味・和訳(意訳)

"Serenade"

1.
À la voix
D'un amant fidèle
Ah, réponds, ma belle,
Ainsi qu'autrefois !

誠実な恋人の声に
ああ!答えておくれ 僕の美しい人
かつてのように!

À ma voix
Daigne encor' paraître,
Ouvre ta fenêtre
Ainsi qu'autrefois.

僕の声に
また姿を見せておくれ
窓を開けてほしい
かつてのように

Ah, parais,
Tu sais si j'admire
Ton charmant sourire,
Tes divins attraits !

ああ!姿を見せて
僕がどんなに惹かれているか
君のすてきな微笑みに
その神々しい魅力に!

De tes yeux
Qu'un rayon de flamme
Pénètre mon âme
Et m'ouvre les cieux.

君の瞳の
きらめく光は
僕の魂を貫き
天国への道を開く

2.
Je t'attends,
Et vers toi, d'avance,
Mon cœur qui s'élance
Compte les instants.

君を待っている
君に向かって もうすでに
舞い上がる僕の心は
時を数える

Jusqu'au jour
Quand chacun sommeille,
Seul mon amour veille
Pour chanter l'amour.

明るくなるまで
皆が寝静まった夜に
僕の恋心は待ち続ける
恋の歌を歌うために

À la voix
D'un amant fidèle
Ah ! réponds, ma belle,
Ainsi qu'autrefois.

誠実な恋人の声に
ああ!答えておくれ 僕の美しい人
かつてのように!

À ma voix
Daigne encor' paraître,
Ouvre ta fenêtre
Ainsi qu'autrefois.

僕の声に
また姿を見せておくれ
窓を開けてほしい
かつてのように

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