茶色の小瓶(こびん)歌詞の意味・和訳

グレン・ミラー楽団の代表曲としてジャズのスタンダードへ

『茶色の小瓶(こびん)』の邦題で知られる『The Little Brown Jug』(リトル・ブラウン・ジャグ)は、1869年にアメリカのフィラデルフィアで発表された曲。

作詞・作曲は、ジョセフ・イーストバーン・ウィナー(Joseph Eastburn Winner)。

1939年にグレン・ミラーがスウィング・ジャズでカバーし大ヒット。以降、ジャズのスタンダード・ナンバーとして親しまれている。

原曲には歌詞が存在する。歌詞に登場するのは、酒好きな二人の男女。彼女はジンが好きで、僕はラム酒が好き。

友達をなくしても、ボロを着る羽目になっても、それでもやめられないお酒。農場に行くときも、茶色の小瓶を腰にぶら下げ、お酒とひとときも離れたくない。そんな歌詞の内容だ。

日本では、いくつかの日本語歌詞(訳詞)が存在する。小学校では、音楽の授業でリコーダーや鍵盤ハーモニカ(ピアニカ)などで演奏される。

このページでは、原曲の英語の歌詞について和訳を行うとともに、代表的な日本語歌詞(訳詞)を引用して、原曲の内容と簡単に比較してみたい。

【YouTube】グレン・ミラー The Little Brown Jug

歌詞の意味・和訳(意訳)

1.
My wife and I lived all alone
In a little log hut we called our own;
She loved gin, and I loved rum,
I tell you what, we'd lots of fun.

女房と俺で丸太小屋
彼女はジン 俺はラム
酒を楽しく飲み明かす

Chorus:
Ha, ha, ha, you and me,
" Little brown jug" don't I love thee;
Ha, ha ha, you and me,
" Little brown jug" don't I love thee.

ハッハッハッ お前と俺
茶色の小瓶なんて大っ嫌いさ(大好きさ)!
ハッハッハッ お前と俺
茶色の小瓶なんて大っ嫌いさ(大好きさ)!

2.
'Tis you who makes my friends my foes,
'Tis you who makes me wear old clothes;
Here you are, so near my nose,
So tip her up, and down she goes.

酒のせいで友達を失くし
酒のせいでボロを着て
香りを嗅いで グイっとやれば
あっという間に腹の中

Chorus:
Ha, ha, ha, you and me,
" Little brown jug" don't I love thee;
Ha, ha ha, you and me,
" Little brown jug" don't I love thee.

ハッハッハッ お前と俺
茶色の小瓶なんて大っ嫌いさ(大好きさ)!
ハッハッハッ お前と俺
茶色の小瓶なんて大っ嫌いさ(大好きさ)!

日本語歌詞 その1

ここからは、『The Little Brown Jug』につけられた日本語歌詞を二つご紹介したい。

まず一つ目として、作詞:生地靖幸(おうちやすゆき)による日本語歌詞『茶色の小びん』を次のとおり引用し、その内容を原曲と簡単に比較してみよう。

ふしぎな ふしぎな 茶色の小びん ホホ
この世でいちばん 泣き虫の人も
ホホホ ホホホ 小びんをみせれば
ホホホ ホホホ たちまちニコニコ

ゆかいな ゆかいな 茶色の小びん ホホ
朝から晩まで おこっている人も
ハハハ ハハハ 小びんをみせれば
ハハハ ハハハ たちまちごきげん

この歌詞では、原曲の内容とはまったく切り離され、見せるだけで人々を笑顔にする魔法の小びんが題材となっている。

日本語歌詞 その2

次に、 作詞:芙龍明子(ふりゅうあきこ)による『茶色の小びん』日本語歌詞を次のとおり引用し、その内容を確認してみよう。

小川のほとりの 小さな小屋に
二人は楽しく 住んでいました
奥の棚の 茶色の小びんは
いつもピッカピカ 魔法の小びんです

茶色の小びんを 二人でゆすりゃ
紅茶に牛乳 なんでも出るよ
リンロンロン ランリンロン のどをうるおして
いつもごきげん ならんで出かけます

友だち来たときゃ 笑顔で迎え
茶色の小びんで ジュースをどうぞ
リンロンロン ランリンロン なみなみとついで
飲めばごきげん 歌もはずみます

小川のほとりの 小さな小屋で
幸せ呼んでる 茶色の小びん
リンロンロン ランリンロン あの音きけば
どんな人も 心なごむでしょう

この日本語歌詞では、まるで日本昔ばなし「一寸法師」の「打出の小槌」ように、ゆすれば好きな飲み物が何でも出てくる「魔法の小びん」として描かれている。

作詞者の芙龍明子(ふりゅうあきこ)は、教育芸術社の音楽教科書向けに作詞を多数手がけており、『パフ・ザ・マジック・ドラゴン』、『帰れソレントへ』、合唱曲『夢の世界を』などが知られている。

グレン・ミラー 有名な曲・代表曲

ムーンライト・セレナーデ
グレン・ミラー作曲のスタンダードジャズの代表曲。月明かりのセレナーデ。
セントルイス・ブルース・マーチ
ブルースの名曲をグレン・ミラーの慰問楽団がカバー
インザムード In the Mood
グレンミラー楽団のレパートリーの一つ。 「スウィングガールズ」でもお馴染み。

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