民衆の歌 歌詞の意味・和訳
Do You Hear the People Sing?

ミュージカル映画「レ・ミゼラブル」劇中歌

『民衆の歌』(Do You Hear the People Sing?/ドゥー・ユー・ヒア・ザ・ピープル・シング)は、ミュージカル映画「レ・ミゼラブル」の後半とラストの場面で歌われる劇中歌。

「レ・ミゼラブル」を象徴する曲として知名度・人気ともに高く、関連コンサートなどでもフィナーレを飾る壮大な合唱曲として歌われる機会がある。

2012年公開の映画版「レ・ミゼラブル」では、1832年6月5日、ラマルク将軍 (Jean Maximilien Lamarque) の葬列の場面で、新政府に対し不満を抱いていた共和派の少年らが民衆に決起を呼びかけるシーンで大合唱される。

上挿絵:ドラクロワ作「民衆を率いる自由の女神」

少年らは「ABCの友(ア・ベ・セーの友)」と呼ばれる共和派の秘密結社のメンバーで、1830年のフランス7月革命で誕生したブルジョワ派の新政府に対し不満を持っており、ラマルク将軍の死に乗じて暴動を起こす計画を練っていた。

彼らを中心とした数百人規模の暴動は、バリケードを築いて必死の抵抗を試みるが、政府軍の物量の前に数日で鎮圧されてしまう。後にこの出来事は「6月暴動(1832年)」と呼ばれる。

【YouTube】Les Miserables: Do You Hear The People Sing?

歌詞の意味・和訳(意訳)

『Do You Hear the People Sing?』

作曲:クロード=ミシェル・シェーンベルク

作詞(フランス語):アラン・ブーブリル(Alain Boublil)

英訳詞:ハーバート・クレッツマー(Herbert Kretzmer)

Do you hear the people sing?
Singing a song of angry men?
It is the music of a people
Who will not be slaves again!

民衆の歌が聞こえるか?
怒れる者たちの歌う声が
それは民衆の歌う歌
二度と隷属しない者たちの!

When the beating of your heart
Echoes the beating of the drums
There is a life about to start
When tomorrow comes!

胸の鼓動が
太鼓の響きにこだまして
新たな暮らしが始まるのだ
明日が来れば!

Will you join in our crusade?
Who will be strong and stand with me?
Beyond the barricade
Is there a world you long to see?

Then join in the fight
That will give you the right to be free!

我らの聖戦に加わらないか?
強き心で 共に立ち上がろう
バリケードの向こうには
希望の世界があるのだ

共に戦おう
自由になる権利を得るために!

Do you hear the people sing?
Singing a song of angry men?
It is the music of a people
Who will not be slaves again!

民衆の歌が聞こえるか?
怒れる者たちの歌う声が
それは民衆の歌う歌
二度と隷属しない者たちの!

When the beating of your heart
Echoes the beating of the drums
There is a life about to start
When tomorrow comes!

胸の鼓動が
太鼓の響きにこだまして
新たな暮らしが始まるのだ
明日が来れば!

Will you give all you can give
So that our banner may advance
Some will fall and some will live
Will you stand up and take your chance?

The blood of the martyrs
Will water the meadows of France!

君はすべてを差し出せるか
我らの旗を前進させるために
倒れる者もいれば
生き延びる者もいるだろう
立ち上がり チャンスに賭けてみないか?

殉教者の血潮が
フランスの野を赤く染めるのだ!

Do you hear the people sing?
Singing a song of angry men?
It is the music of a people
Who will not be slaves again!

民衆の歌が聞こえるか?
怒れる者たちの歌う声が
それは民衆の歌う歌
二度と隷属しない者たちの!

When the beating of your heart
Echoes the beating of the drums
There is a life about to start
When tomorrow comes!

胸の鼓動が
太鼓の響きにこだまして
新たな暮らしが始まるのだ
明日が来れば!

映画のロケ地はロンドン・グリニッジ大学

映画「レ・ミゼラブル」(2012年版)で『民衆の歌 Do You Hear the People Sing?』が歌われた暴動勃発のシーンは、ロンドン(イギリス)のテムズ川南岸に位置する河港都市グリニッジ(Greenwich)にあるグリニッジ大学(University of Greenwich)で撮影された。

ロンドン・グリニッジ大学

グリニッジ大学の施設はかつての旧王立海軍大学における歴史建築物を利用しており、一帯は世界遺産に登録されている(詳細はこちら「グリニッジ大学と映画レ・ミゼラブル」)。

上の写真の建物は、ラマルク将軍の葬列シーンで、政府の一行がアンジョルラスやマリウス(マリユス)といった「ABCの友(ア・ベ・セーの友)」のメンバーの前をドラムの重苦しい響きの中で通過していく緊張の場面で登場する。

アンジョルラスがドラムに合わせて『民衆の歌 Do You Hear the People Sing?』を静かに口ずさみ始めると、一人また一人と歌の輪が大きく広まっていき、少年らが馬車の上でまさに反旗をひるがえすと、合唱は民衆全体を巻き込んで大きなうねりとなっていく。

グリニッジ大学とは?

なお、グリニッジ大学の構内は、映画でラッセル・クロウ演じるジャヴェール警部(Inspecteur Javert)が政府軍に訓示を述べるシーンでも登場する。

映画のロケ地グリニッジ大学については、こちらのページ「グリニッジ大学と映画レ・ミゼラブル」で詳しく解説しているので適宜参照されたい。

関連ページ

ミュージカルの主題歌・有名な歌・名曲
「サウンド・オブ・ミュージック」、「レ・ミゼラブル」、「ウエストサイド物語」など、世界的に有名なミュージカル映画主題歌・挿入歌 解説と視聴