七人の侍と時代劇
劇場版ガルパン元ネタ・オマージュ

アニメ作品の元ネタ・オマージュ・パロディ

アニメ「ガールズ&パンツァー」劇場版では、遊園地内部へ侵攻するパーシングらを迎え撃つため、知波単(ちはたん)学園の戦車がアヒルの風船でカモフラージュ(シャレ?)する場面で、日本の時代劇「七人の侍」テーマ曲を彷彿とさせるBGMが流れる。

「七人の侍」は、1954年に公開された黒澤明監督による日本映画の名作中の名作。野武士の略奪に苦しむ農民達は、侍を雇い、自らも戦うことを決意した。

遊園地内部へ侵攻する大学選抜チームのパーシング戦車。車両の性能からしても不利な状況で、それをアヒル・カモフラージュで迎え撃つ知波単チーム。

この状況はまるで、戦闘力の質量ともに上回る野武士達を迎え撃とうとする「七人の侍」。ここで「七人の侍」の和太鼓による重苦しいBGMを思わせるサントラが流れるのは、水島努監督によるオマージュ手法の真骨頂ともいえるだろう。

アメリカ映画「荒野の七人」

ちなみに、黒澤明監督の「七人の侍」は1960年にアメリカで「荒野の七人」としてリメイクされている。ガルパン水島努監督は、映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ」の中で、「荒野の七人」のパロディを全面的にストーリーに組み込んでいる。

また、「荒野の七人」テーマ曲は、同じくガルパン劇場版の西部劇セットのシーンでサントラとして使われている

時代劇のチャンバラと決闘

時代劇といえば、ガールズ&パンツァーの戦車同士による近接戦闘では、日本の時代劇で侍が刀でチャンバラを繰り広げるかのようなシーンが散見される。

刀のように戦車の主砲を交錯させたり、真剣白刃取りのように2台の戦車で主砲を挟み込んだりと、まるで戦車そのものが生き物のように活き活きと車体で交戦する様子はまさに痛快。

劇場版で聖グロリアーナのローズヒップが、日本の城を模したセットの付近でパーシングと猛スピードで並走し大ジャンプで切りかかっていくシーンは、まるで宮本武蔵と佐々木小次郎による巌流島の戦いにおける一太刀の緊張感すら漂っていたようだ。

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