ソルヴェイグの歌 歌詞の意味・和訳
グリーグ 組曲「ペール・ギュント」より

エドヴァルド・グリーグ(Edvard Hagerup Grieg/1843-1907)

『ソルヴェイグの歌』は、ノルウェーの作曲家グリーグによる1875年の組曲『ペール・ギュント』の一曲。

「ソルヴェイグ(ソルヴェーグ/ソルベーグ)」とは、主人公ペール・ギュントが村の結婚式で出会った少女の名前。放浪の旅に出たペール・ギュントを待ち続けた。戻ってきた彼に彼女が歌った子守歌がこの『ソルヴェイグの歌』である。

元々は、1876年に初演されたノルウェーの劇作家ヘンリック・イプセンの戯曲『ペール・ギュント (Peer Gynt)』の劇音楽だった。

後に全27曲の劇音楽の中から8曲が選び出され、4曲ずつそれぞれ第1組曲、第2組曲と改作された。

【YouTube】ソルヴェイグの歌

歌詞の意味・和訳(意訳)

Kanske vil der gå både Vinter og Vår,
og næste Sommer med, og det hele År,
men engang vil du komme, det ved jeg vist,
og jeg skal nok vente, for det lovte jeg sidst.

冬は去り 春は過ぎて
夏も終わり 1年が経った
でも私は信じてる あなたが帰ってくると
私は待ち続ける 約束したから

Gud styrke dig, hvor du i Verden går,
Gud glæde dig, hvis du for hans Fodskammel står.
Her skal jeg vente til du kommer igjen;
og venter du hist oppe, vi traffes der, min Ven !

神のご加護がありますように あなたの旅路で
神にひざまずけば 力を授かるでしょう
ここであなたの帰りを待ち続けます
もし天上にいるのなら
そこで再会しましょう 私の大切な人!

日本語歌詞について

『ソルヴェイグの歌』原曲のノルウェー語については、日本の作詞家・評論家の堀内敬三(1897-1983)が日本語の訳詞を残しているので、次のとおり引用して内容を確認してみよう。

冬は逝(ゆ)きて春過ぎて 春過ぎて
真夏も去りて年経(ふ)れど 年経れど
きみが帰りをただわれは ただわれは
誓いしままに待ちわぶる 待ちわぶる
あああ……

生きてなお君世に在(ま)さば 君世に在さば
やがてまた逢う時や来(こ)ん 時や来ん
天(あま)つ御国(みくに)に在すならば 在すならば
かしこにわれを待ちたまえ 待ちたまえ
あああ……

<引用:堀内敬三『ソルヴェイグの歌』日本語訳詞より>

季節が過ぎても、ずっとあなたの事を待ち続けているという内容は、ノルウェー語の原曲どおり。原詩に忠実な訳詞と言える。

2番の歌詞については、生きているならこの世で会えるでしょう、天国にいるならそこで私を待っていてという、これも原曲の内容に近い内容で日本語歌詞がつけられている。

「天つ御国(あまつみくに)」は「天の御国」、マタイの福音書で頻繁に用いられているキリスト教用語で、いわゆる「天国」を意味している。

北欧のショパン グリーグとは?

グリーグは、ノルウェーの民族音楽から深い影響を受けた国民楽派の作曲家。ピアノのために数多くの小品を残しており、「北欧のショパン」と呼ばれることがある。

日本では、数あるグリーグの作品の中でも、この組曲『ペール・ギュント』とイ短調のピアノ協奏曲(特に第一楽章)が有名。

第1組曲

Suite No. 1, Op. 46

第2組曲

Suite No. 2, Op. 55

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