君とみた海 歌詞と解説 合唱曲

合唱曲/君とみた夏の日の思い出は いつまでも輝いてる

流れるようなピアノの伴奏が美しい合唱曲『君とみた海』。作詞・作曲は、NHKの音楽番組で活躍する作曲・編曲家の若松 歓(わかまつ かん/1965-)。

『君とみた海』の歌詞では、夏の日の思い出を感傷的に振り返る主人公の切ない思いが、まぶしくきらめく美しい八月の海の情景に載せて切々とつづられている。

「君」が意味する人物については、歌詞の中では明確にされておらず、友人であるとも恋人であるとも、男性であるとも女性であるとも自由に解釈できる。学生向けの合唱曲であることから、安易なラブソングにならないような配慮がなされているのだろうか。

【YouTube】君とみた海

歌詞

暑い八月の海で
風に体つつまれて
眩(まぶ)しい水平線を眺めてる君

君の乾いた素肌に
涙こぼれている
重ね過ぎた悲しみ
少しずつ砂ににじませてくように

海よ 海よ 海よ
素直な気持ち気づかせてくれる
君とみた夏の日の思い出は
いつまでも輝いてる

広い故郷(ふるさと)の海で
波に心あずけながら
静かな優しい歌を口ずさむ君

人は微笑む数だけ
悩み苦しむけど
忘れかけた何かを
ここでならきっと見つけられるはずさ

海よ 海よ 海よ
限りない夢いだかせてくれる
果てのない青空に続くように
どこまでも広がってゆく

海よ 海よ 海よ
大切なもの気づかせてくれる
君とみた夏の日の思い出は
いつまでもいつまでも輝いてる

高い表現力が要求されるピアノ伴奏

『君とみた海』の抒情感あふれる流麗なメロディは、波間にきらめく夏の海と青い空、熱い風に照り付ける太陽、広がる砂浜が目に浮かぶようだ。19世紀フランスの作曲家クロード・ドビュッシーによるピアノの名曲『アラベスク第1番』を彷彿とさせるきらきらとした自然の情景が本当に美しい。

特に冒頭とエンディングの流れるような6連符の連続が非常に印象的で、ここをピアノ伴奏者がどううまく表現しきれるかがこの合唱曲の成功のカギを握っているといえるだろう。

『君とみた海』の楽譜を最初に見ると、やはりイントロ・アウトロの連続する6連符のインパクトが非常に大きい。学校向け合唱曲の中でもピアノ伴奏の難易度の高い楽曲の部類に入ることは間違いなさそうだ。

楽譜通りに弾けるのは大前提として、それを曲の内容を踏まえて情感を込めて美しく表現できるか。肝心の合唱技術は言うまでもないが、流麗な6連符を弾きこなすピアノ伴奏者の技術も『君とみた海』の大きな構成要素の一つとなっていることは間違いないだろう。

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