子鹿のバンビ 日本の童謡
ディズニーアニメ映画「バンビ」大ヒットが生んだ日本の童謡
『子鹿のバンビ』は、1952年にレコード発売された日本の童謡。作詞:坂口淳、作曲:平岡照章。歌:古賀さと子。
1951年5月に日本で公開されたディズニーアニメ映画「バンビ Bambi」の大ヒットを受けて作曲された。「バンビ」とは、イタリア語で「子供、赤ちゃん」を意味する「バンビーノ bambino」が語源。
ジャケット写真:ディズニー映画「バンビ」ブルーレイ DVD デジタルコピー
映画「バンビ Bambi」は1942年にアメリカで公開されたディズニー映画だが、戦中の混乱期であり、日本での公開はその9年後となった。
ちなみに、映画「バンビ」は、オーストリアの作家フェリックス=ザルテンによる1923年の動物小説「バンビ」が原作。
【YouTube】 子鹿のバンビ
あえて映画を見ないで作曲
童謡『子鹿のバンビ』を作曲するにあたり、作曲者の平岡照章はあえてディズニー映画「バンビ Bambi」を見なかったという。
作曲の平岡照章は映画を見るとどうしても潜在意識がついて、自分独自の味が出せないからというので映画は見ませんでした。そして、物語から受けたイメージを中心にして作曲にのぞみました。歌のメロディは意外に早くスラスラ出ましたが、前・間奏でバンビが元気よく跳び回る様子を出すのにかなり苦労をしました。
<引用:長田暁二「母と子のうた100選」時事通信社>
背中の模様 意味・理由は?
映画「バンビ」に登場する子鹿も含め、子鹿の背中には白く丸いまだら模様が見られる。日本では「鹿の子模様」(かのこもよう)と呼ばれ、古くから絞り染め「鹿の子絞り」の文様として用いられてきた。
背中の鹿の子模様は、子鹿だけではなく大人の鹿にも表れる。人間の指紋と同じく個体特有の配置であり、その模様は一生変わらないという。
鹿の子模様があるおかげで、林の中でうずくまれば、木もれ日によってできる地面の模様と区別がつきにくくなるカモフラージュとなり、天敵から見つかりにくくなるという生存戦略上の存在理由がある。
写真:子鹿と鹿の子模様(出典:奈良の鹿愛護会ブログ)
子鹿物語について
映画「バンビ Bambi」公開から4年後の1946年、アメリカで実写映画「The Yearling」(子鹿物語/仔鹿物語)が公開された。
ジャケット写真:子鹿物語 [DVD]
アメリカの作家マージョリー・キナン・ローリングスが1938年に発表した児童文学小説を原作とする。日本では1983年にアニメ化された。
ディズニー映画「バンビ Bambi」のような擬人化作品ではなく、現実の自然界における野生の鹿が登場するストーリーだが、時期的にディズニー作品のヒットを受けて製作された映画であることは間違いないだろう。
NHK朝ドラマ「なつぞら」オープニング映像について
2019年4月から放送されたNHK連続テレビ小説「なつぞら」では、オープニングのアニメ映像で、背中に白い模様がある子鹿が登場する。
ディズニー映画「バンビ Bambi」キャラクターとの関連性は定かではないが、バンビの世界観にも通じるメルヘンなアニメ映像が用いられている。
【YouTube】 連続テレビ小説「なつぞら」オープニング アニメ映像
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