白銀は招くよ 歌詞の意味・和訳

NHK「みんなのうた」で放送された西ドイツの映画主題歌

「雪の山は友達 まねくよ若い夢を」が歌い出しの『白銀は招くよ』(はくぎんはまねくよ)は、1959年10月に公開された西ドイツの映画主題歌。歌は主演のトニー・ザイラー。

日本語の歌詞がつけられ、NHK「みんなのうた」で1963年1月に初回放送された。ダークダックス、ボニージャックスらがカバーしている。

ドイツ語の原題は『Ich bin der glücklichste Mensch auf der Welt』(イッヒ・ビン・デア・グリュックシュテ・メンシュ・アウフ・デア・ヴェルト)。意味は「私は世界で一番の幸せ者」。

スキー場・ゲレンデでスキーをする人々

作詞:ウィリー・デーメル(Willy Dehmel/1909-1971)、作曲:フランツ・グローテ(Franz Grothe/1908-1982)。

日本語歌詞の作詞者は、「君の行く道は 果てしなく遠い」が歌い出しの『若者たち』を手がけた演出家・作詞家の藤田 敏雄(ふじた としお/1928-2020)。

ドイツ語の原曲と日本語歌詞『白銀は招くよ』には、どのような内容の違いがあるのだろうか?まずドイツ語の歌詞の意味・和訳を掲載し、次に日本語歌詞の内容を確認して、両者を比較してみたい。

【YouTube】 Ich bin der glücklichste Mensch auf der Welt

歌詞の意味・和訳

『Ich bin der glücklichste Mensch auf der Welt』

作詞:ウィリー・デーメル(Willy Dehmel/1909-1971)

Ich bin der glücklichste Mensch auf der Welt,
denn gute Laune ist mehr wert als Geld:
Heut liegt was
heut liegt was
was Schönes für mich in der Luft:

僕は世界で一番の幸せ者
いい気分だ お金よりも価値がある
今日は景色が美しく見える

Ich bin so heiter, so frei und so froh,
ich glaub', ich weiss auch, warum und wieso:
Heut liegt was
heut liegt was
was Schönes für mich in der Luft!

僕はとても元気で自由で幸せだ
その理由も分かってる
今日は景色が美しく見える

Plötzlich hab' ich das Gefühl,
oder bild' ich mir's nur ein,
mir begegnet irgend wo das grosse Glück!

急に気持ちがわいてくる
単なる想像かもしれないが
僕はどこかで大きな幸運に巡り合うって

Es kann heute morgen sein,
es kann morgen morgen sein
oder auch im nächsten Augenblick schon! Ja!

それは今日の朝かも
それとも明日の朝かも
または次の瞬間に そうさ!

die Liebe,
die lass' ich nie vorübergehn!
Ja die Liebe
macht erst das Leben schön

それは愛
僕は決して見逃さない
そうさ 愛が人生を美しくする

Ich bin der glücklichste Mensch auf der Welt,
denn gute Laune ist mehr wert als Geld:
Heut liegt was
heut liegt was
was Schönes für mich in der Luft:

僕は世界で一番の幸せ者
いい気分だ お金よりも価値がある
今日は景色が美しく見える

die Liebe,
die lass' ich nie vorübergehn!
Ja die Liebe
macht erst das Leben schön

それは愛
僕は決して見逃さない
そうさ 愛が人生を美しくする

日本語歌詞と比較

ドイツ語の原曲との比較のため、作詞(訳詞):藤田 敏雄による『白銀は招くよ』日本語歌詞を次のとおり引用する。

雪の山は友達 まねくよ若い夢を
ホーヤッホ ホーヤッホ うた声もまねく
雪の山は友達 走れ若い心よ
ホーヤッホ ホーヤッホ うた声も走る
わきあがる雲 樹氷の林

かがやく 銀のスロープ
あふれる力 とばせスピード
雪けむりを け散らそう
なにか すばらしい ことに
ヤー 今日は出あいそうだ

雪の山は友達 まねくよ若い夢を
ホーヤッホ ホーヤッホ 歌声もまねく
雪の山は友達 走れ若い心よ
ホーヤッホ ホーヤッホ 歌声も走る

けれど いつかは 山におわかれ
雪よ 夢よ さようなら
町のくらしが やがて はじまり
夜の 窓で 思いだす
それは なつかしいうたさ
ヤー 山をしのぶうたさ

<引用:藤田 敏雄『白銀は招くよ』日本語歌詞より>

原曲のドイツ映画の舞台が雪山ということで、日本語の訳詞『白銀は招くよ』では「雪」と「山」というキーワードが繰り返し用いられて強調されている。

これは、映画公開の半年前である1959年6月にリリースされた『雪山讃歌(ゆきやまさんか)』のヒットが影響していると推測される。

原曲では、恋の予感に浮かれる男性のワクワクする心情が歌われているが、訳詞『白銀は招くよ』では、恋や愛にはふれず、歌声と共に純粋にスキーを楽しむ若者の雪山への山男的な親しみが描写されている。

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