ラ・ボエーム あらすじ・ストーリー

クリスマスのパリで恋に落ちた、ミミとロドルフォの愛の物語

『ラ・ボエーム』(La Bohème)は、イタリアの作曲家ジャコモ・プッチーニが1896年に作曲したオペラ・歌劇。

オペラ『蝶々夫人』『トスカ』と並ぶ、プッチーニ3大オペラの一つ。

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写真:プッチーニ『ラ・ボエーム』DVD ロドルフォ役:ホセ・カレーラス

原作は、19世紀フランスの詩人アンリ・ミュルジェールによる1849年の小説・戯曲「ボヘミアン生活の情景」。

ボヘミアンとは、伝統的な暮らしや習慣にとらわれず、貧しくても自由奔放に生きる詩人や画家など芸術家気質の若者を意味している。パリのモンマルトルやモンパルナスがボヘミアンの街として有名。

オペラ『ラ・ボエーム』で歌われる有名なアリアとしては、第1幕で詩人ロドルフォがミミに恋心を打ち明けるロドルフォのアリア『冷たい手を(Che gelida manina)』や、それに応えるミミのアリア『私の名はミミ(Sì, mi chiamano Mimì)』が知られている。

【YouTube】 パバロッティ『冷たい手を』/『私の名はミミ』

あらすじ(ネタバレを含む)

舞台はクリスマスのパリ(1830年代)。安アパートの屋根裏部屋で、若く貧しい画家や詩人らボヘミアン仲間が暮らしていた。

第1幕

お針子のミミ(ソプラノ)と詩人のロドルフォ(テノール)は、クリスマスイブに恋仲になった。二人きりの場面でロドルフォのアリア『冷たい手を』とミミのアリア『私の名はミミ』が歌われる。

第2幕

仲間たちとカフェで食事。画家マルチェッロ(バリトン)と歌手のムゼッタ(ソプラノ)がカフェで再会し、よりを戻した。ムゼッタのアリア「私が街をあるけば(Quando me'n vo soletta per la via)」が歌われる。

第3幕

2か月後、最近ロドルフォとうまくいかないと悩むミミ。実は、ミミは結核で余命いくばくもなく、貧しくて医者も呼べないロドルフォは、自分では彼女を救えないからと彼女と別れようとしていたのだ。彼の気持ちを察して、ミミは別れを受け入れた。

マルチェッロとムゼッタもうまく続かず、口論の末に喧嘩別れしてしまった。

第4幕

数か月後、屋根裏部屋。別れた恋人を懐かしむ二人。そこへムゼッタが息を切らし血相を変えて駆け込んできた。

ムゼッタはミミと一緒に来ていたのだが、アパートの戸口で倒れてしまったのだ。すぐに助けに向かうロドルフォ。

ミミは子爵の愛人となっていたが、最期は愛する人の腕の中で死にたいとロドルフォの元へやって来たのだった。

初めて出会った日のことを語り合う二人。そして二人が出会ったその場所で、ミミは静かに息を引き取った。

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