十日えびす 意味・由来・歴史

年のはじめのえべっさん 商売繁盛で笹もってこい!

十日えびす(十日戎/十日恵比須/とおかえびす)は、毎年1月10日前後に関西地方の神社で行われる伝統行事・祭礼。

「えべっさん」とも呼ばれる。えびす講の一つ。「♪商売繁盛で笹もってこい!」のお囃子でもお馴染み。宝恵駕籠(ほえかご)行列も行われる。

七福神の一神・えびす様(恵比寿神)が祀られ、商売繁盛・家内安全・交通安全を願って、縁起物である福笹や熊手を求めて多くの人が参拝する。

十日えびすを行う神社としては、西宮神社(兵庫県西宮市)、今宮戎神社(大阪市浪速区)、京都ゑびす神社(京都市東山区)の三社が特に有名。

これらの神社について、その歴史や由来・意味について簡単にまとめてみた。

(上写真の出典:西宮神社Webサイト)

西宮神社

兵庫県西宮市の西宮神社は、恵比寿神(えびす様)を祀る神社の総本社。十日えびすには毎年百万人に及ぶ参拝者で賑う。

歴史は古く、十日えびすに備えて身を清める「居籠り(いごもり)」の儀式は鎌倉時代の古記録にも残されているという。

江戸時代から続く福男選びの開門神事・走り参りは特に有名で、テレビのニュースで毎年取り上げられている。

開門神事では、十日の早朝、表大門の外で待っていた参拝者らが、一番福の福男(ふくおとこ)を目指して230メートル離れた本殿へ走り参りを行う。

写真:西宮神社の開門神事・福男選び(出典:西宮神社Webサイト)

今宮戎神社

大阪市浪速区の今宮戎(いまみやえびす)神社における十日えびすは、江戸中期頃から盛んになった。拝殿で福娘から福笹(ふくざさ)を授かり、縁起物である吉兆・御札・小宝を付ける。

写真:今宮戎神社の福娘(出典:今宮戎神社Webサイト)

境内に流れる賑やかなえびす囃子「年のはじめのえべっさん、商売繁盛で笹もってこい!」が有名。

今宮戎神社の地元商店街では、盛装した芸者が駕籠(かご)に乗り込み町内を練り歩く宝恵駕籠(ほえかご)奉納の行列が行われる。

京都ゑびす神社

「えべっさん」の名で親しまれる京都市東山区の京都ゑびす神社。西宮神社や今宮戎神社などでも行われる福笹(ふくざさ)授与のルーツは、京都ゑびす神社で独自に授与されていた「御札」に由来するという。

なぜ笹(ささ)が授与されるのか?その意味とは?

笹は縁起物の松竹梅の竹の葉であり、「節目正しく真直に伸びる」、「弾力があり折れない」、「葉が落ちず常に青々と繁る」といった特徴から、家運隆昌、商売繁盛の象徴となっている。

京都ゑびす神社の宝恵駕籠(ほえかご)行列では、東映の女優さんが松竹梅と紅白に飾った駕籠に乗りこみ、太秦の映画村より神社へ参拝する。

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