レ・シルフィード Les Sylphides

バレエ音楽/ショパンのピアノ曲をバレエ向けに編曲したショピニアーナ

『レ・シルフィード(Les Sylphides)』は、ショパンのピアノ曲を管弦楽に編曲したバレエ音楽・バレエ作品。『ショピニアーナ』との別名もある。

振付師はミハイル・フォーキン。バレエの優雅さを堪能させるもので、劇の複雑なあらすじなどはない。森の精(シルフィード)と詩人(ショパン?)が月明かりの下で踊り明かす。

フレデリック・ショパン

挿絵:ショパン肖像画/1835年 マリア・ヴォジンスカ画

1907年にマリインスキー劇場で初演。フォーキン自身が改訂を重ね、1909年6月 バレエ・リュス第一回公演(パリ・シャトレ座)で第三版が上演され、現在に至る。

ちなみに、『ラ・シルフィード(La Sylphide)』というよく似たタイトルのバレエ作品があるが、『レ・シルフィード(Les Sylphides)』とは直接の関連性はない。

【YouTube】レ・シルフィード Les Sylphides

使用・編曲されたショパンの作品

初演版(1907年)

アレクサンドル・グラズノフ編曲の以下の4曲に、フォーキンが追加注文したワルツ嬰ハ短調を加え、以下の5曲で上演された。

  • 軍隊ポロネーズ
    Polonaise in A major, Op. 40, no. 1
  • 夜想曲第4番ヘ長調
    Nocturne in F major, Op. 15, no. 1
  • マズルカ 作品50-3
    Mazurka in C sharp minor, Op. 50, no. 3
  • タランテラ
    Tarantella in A flat major, Op. 43

現行版

イギリスの作曲家ロイ・ダグラス(Roy Douglas/1907-)による編曲。全体的に編曲は巧みで、作曲者の旋律美を遺憾なく活用している。日本では「ショパンはお好き」なる題名で紹介されている。

軍隊ポロネーズの代わりに前奏曲イ長調(Prelude in A Major)が演奏されることもある。

  • 軍隊ポロネーズ
    Polonaise in A major, Op. 40, no. 1
  • 夜想曲第10番変イ長調
    Nocturne in A flat major, Op. 32, no. 2
  • ワルツ変ト長調
    Valse in G Flat major, Op. 70, no. 1
  • マズルカ作品33-2
    Mazurka in D major, Op. 33, no. 2
  • マズルカ作品67-3
    Mazurka in C major, Op. 67, no. 3
  • ワルツ第7番嬰ハ短調
    Valse in C sharp minor, Op. 64, no. 2
  • 華麗なる大円舞曲
    Grande Valse in E flat major, Op. 18, no. 1

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