椿姫 (ノイマイヤー版)

バレエ音楽/ノイマイヤーとショパンの名曲が織り成す悲劇のパ・ド・ドゥ

『椿姫(La Dame aux camelias)』は、ジョン・ノイマイヤー(John Neumeier)が振付けたバレエ作品。全3幕。

原作は、アレクサンドル・デュマ・フィス(小デュマ)の同名の小説。

椿姫 La Dame Aux Camelias

音楽は、原作と同時代の作曲家フレデリック・ショパンの楽曲が用いられている。ジュゼッペ・ヴェルディのオペラ『La traviata』との関連性はなく、ストーリーもオペラより原作に忠実である。

元々は初演で主役を務めた名プリマ マリシア・ハイデ(Marcia Haydée)のために創作された作品であったが、現在はシュツットガルト・バレエやノイマイヤー率いるハンブルク・バレエ以外でも上演されている。

【YouTube】椿姫 (ノイマイヤー版) Die Kameliendame

あらすじ・ストーリー

高級娼婦マルグリットに心を奪われたブルジョワ階級の青年アルマン。彼の情熱的なアプローチに心を動かされたマルグリットは、アルマンに椿の花を手渡し、彼の思いを受け入れた。

まもなくパトロンの公爵に関係を気付かれるが、マルグリットはアルマンを本気の恋人だと公言して公爵との関係を断った。

アルマンとの真実の愛に生きようとするマルグリットに更なる障壁が。元娼婦に夢中になった息子を見て、アルマンの父・デュヴァル氏がマルグリットを訪ね、息子と別れて欲しいと懇願。

社会的身分の違いを十分に承知し、以前から覚悟を決めていたマルグリットは、アルマンとの別離に同意し、アルマンの留守に手紙だけを残して姿を消した。

マルグリットを追ってアルマンはパリに駆け戻るが、そこで見たものは自室に男を招き入れるマルグリットの姿であった。何も知らないアルマンはマルグリットに裏切られたのだと思い込み絶望する。

パリで再会した二人の運命は・・・

冬、パリのシャンゼリゼでマルグリットとアルマンは再会する。マルグリットは病でやつれきっていたが、傍目には新しい愛人と以前通り華やかな生活を送っているように見えた。

アルマンはマルグリットへの当てつけに、愛してもいないオランプと付き合い、ことさらに親しく振舞って見せるが虚しさだけが募っていく。一方で毅然と振舞い続けていたマルグリットも耐え切れなくなり、病苦をおして一夜だけアルマンの元を訪れる。

最初は彼女を拒絶しながらも、もう一度やり直せるのではないかと思うアルマンと、彼に別離の事情を告げることはできず、また自分に残された時間はわずかだと覚悟もしているマルグリット。

すれ違う気持ちと抑え難い情熱に突き動かされ、二人は狂気のような最後の愛を交わす(黒のパ・ド・ドゥ)。しかしそれも一夜限りの事だと思ったアルマンは、舞踏会でマルグリットを散々苛めた挙句、「一夜の代金」の入った封筒を突きつける。

最後のショックについにマルグリットは倒れ、アルマンは傷心旅行に出てしまう。マルグリットはアルマンと別れた真の理由と彼への愛を日記に書き残し、再びアルマンに逢うことなく孤独な死を迎えたのだった

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