思い出のグリーングラス Green, Green Grass of Home 歌詞の意味・和訳

執行を明日に控えた死刑囚が 牢屋の中で見た故郷の夢

『Green, Green Grass of Home』(グリーン、グリーン・グラス・オブ・ホーム)は、アメリカのカントリー歌手ジョニー・ダレル(Johnny Darrell)が1965年に発表した楽曲。

歌詞では、執行を明日に控えた死刑囚が、牢屋の中で見た故郷の夢が描写されている。

邦題は『思い出のグリーングラス』。日本語の歌詞がつけられ、NHK「みんなのうた」で 1974年8月に初回放送された。2022年6月に再放送されている。

トム・ジョーンズ Tom Jones「Green, Green Grass of Home」

ジャケット写真:トム・ジョーンズ Tom Jones「Green, Green Grass of Home」

トム・ジョーンズ(Tom Jones)、エルヴィス・プレスリー、ジョーン・バエズなど、様々なアーティストがカバーしている。

このページでは、『Green, Green Grass of Home』の英語の歌詞を和訳するとともに、NHK「みんなのうた」で放送された日本語の歌詞について、原曲とどのような内容の違いがあるのか、簡単に比較してみたい。

【YouTube】 Green, Green Grass of Home

歌詞の意味・和訳(意訳)

『Green, Green Grass of Home』

作詞・作曲:カーリー・プットマン(Claude "Curly" Putman Jr.)

The old home town looks the same
As I step down from the train
And there to meet me is my Mama and Papa

懐かしい故郷は昔と変わらず
電車から降りるとそこには
迎えに来てくれた父さん母さん

Down the road I look and there runs Mary
Hair of gold and lips like cherries
It's good to touch
The green, green grass of home

道の向こうから かけてくるメアリー
金色の髪 唇はまるでチェリー
触れれば心なごむ
故郷の青々とした芝生よ

Yes, they'll all come to meet me
Arms reaching, smiling sweetly
It's good to touch
The green, green grass of home

そうさ みんな僕に合いに来てくれる
手を伸ばして 優しく微笑みながら
触れれば心なごむ
故郷の青々とした芝生よ

The old house is still standing
Tho' the paint is cracked and dry
And there's that old oak tree
That I used to play on

懐かしい我が家もまだ建っている
ペンキはひび割れて乾いてるけどね
あの懐かしいカシの木がある
昔よく登って遊んだなぁ

Down the lane I walk with my sweet Mary
Hair of gold and lips like cherries
It's good to touch
The green, green grass of home

通りを歩く 隣には可愛いメアリー
金色の髪 唇はまるでチェリー
触れれば心なごむ
故郷の青々とした芝生よ

Yes, they'll all come to meet me
Arms reaching, smiling sweetly
It's good to touch
The green, green grass of home

そうさ みんな僕に合いに来てくれる
手を伸ばして 優しく微笑みながら
触れれば心なごむ
故郷の青々とした芝生よ

Then I awake and look around me
At the four grey walls that surround me
And I realize, yes, I was only dreaming

目が覚めて見渡すと
四方には灰色の壁 僕を囲んでる
僕は理解した そうか
僕は夢を見ていたんだ

For there's a guard
And there's a sad old padre
Arm in arm we'll walk at daybreak
Again I touch the green, green grass of home

看守もいる
悲しげな老神父もいる
夜明けになれば
腕を組まれて連れていかれる
また僕は触れることになるんだ
故郷の青々とした芝生に

Yes, they'll all come
To see me in the shade
Of that old oak tree
As they lay me neath
The green, green grass of home

そうさ みんな僕に会いに来る
あの懐かしいカシの木陰で
僕の亡骸を横たえるんだ
故郷の青々とした芝生の下に

NHK「みんなのうた」日本語歌詞

上述のとおり、NHK「みんなのうた」では日本語歌詞がつけられ、『思い出のグリーングラス』のタイトルで1974年8月に初回放送された。2022年6月に再放送。

訳詞は、ドラマ「水戸黄門」主題歌『ああ人生に涙あり』、『翼をください』、『岬めぐり』、『瀬戸の花嫁』など数多くのヒット曲を手掛けた山上路夫(やまがみ みちお))。

日本語の訳詞は、原曲の英語の歌詞と比較してどのような違いがあるのだろうか?山上路夫氏による訳詞を次のとおり引用して、その内容を簡単に確認してみたい。

汽車から降りたら 小さな駅で
迎えてくれる ママとパパ
手を振りながら呼ぶのは
彼の姿なの
思い出のグリーン・グリーン・グラス・オブ・ホーム
帰った私を迎えてくれるの
思い出のグリーン・グリーン・グラス・オブ・ホーム

昔と同じの 我が家の姿
庭にそびえる 樫の木よ
子供のころに のぼった
枝もそのままよ
思い出のグリーン・グリーン・グラス・オブ・ホーム

悲しい夢みて 泣いてた私
ひとり都会で迷ったの
生まれ故郷に立ったら
夢が覚めたのよ
思い出のグリーン・グリーン・グラス・オブ・ホーム

笑顔でだれも迎えてくれるの
思い出のグリーン・グリーン・グラス・オブ・ホーム

この日本語訳詞を見ると、原曲の歌詞のストーリーがある程度反映されているが、夢から覚めたあとの現実世界が「都会での一人暮らし」という現代の日本的なシチュエーションに変更されているのが分かる。

夢から覚めたあとのくだりをバッサリとカットすることで、子供向けの音楽番組であるNHK「みんなのうた」でも放送できるような優しい内容の楽曲に生まれ変わっているのは見事だ。

ただ、最初にNHK「みんなのうた」版を聞いた人が、初めて原曲の英語の歌詞(の和訳)を見たら、あまりの展開の違いに衝撃を受けることは想像に難くない。

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