月見草の花

はるかに海の見える丘 夢のお花の月見草

『月見草の花』は、作詞:山川清、作曲:山本雅之により1949年(昭和24年)に発表された日本の童謡。

歌詞では、遠くに海が見える丘で咲く月見草を題材として、思い出の丘に一人たたずむ人物の姿が描写されている。

ツキミソウ

写真:ツキミソウ(出典:Webサイト「花の家 三浦半島の自然」)

ツキミソウ(月見草)は、アカバナ科マツヨイグサ属の二年草。日本ではオオマツヨイグサ、マツヨイグサ、メマツヨイグサなどを「月見草」と呼ぶことがある。

『月見草の花』の歌詞には、ほぼ同年代のヒット曲『みかんの花咲く丘』や『港が見える丘』から影響を受けたと思われる点が見られる。特に難解な点はないが、歌詞を引用しながら簡単に解説してみたい。

【試聴】 月見草の花

一番の歌詞について

『月見草の花』一番の歌詞を次のとおり引用する。

はるかに海の見える丘
月のしずくをすって咲く
夢のお花の月見草
花咲く丘よ なつかしの

<引用:『月見草の花』一番の歌詞より>

「海の見える丘」の部分については、『月見草の花』の2年前(1947年)にリリースされた大ヒット曲『港が見える丘』からの影響が伺われる。

また、同年のヒット曲『みかんの花咲く丘』の一番の歌詞「はるかに見える 青い海」との類似性も見受けられる。

「月のしずく」とは、植物の葉の表面などに降りた露(つゆ)のこと。秋など昼と夜の寒暖差の大きい季節の夜間や早朝などに見られる。

「夢のお花の月見草」とは、人々が眠りにつく夜中に一晩だけ花が咲くマツヨイグサ(待宵草)を表現したものだろうか(参照:『宵待草 よいまちぐさ』)。

二番の歌詞について

『月見草の花』二番の歌詞を次のとおり引用する。

ほんのり月が出た宵は
こがねの波がゆれる海
ボーと汽笛をならしてく
お船はどこへ行くのでしょ

<引用:『月見草の花』二番の歌詞より>

海と船に関するこの二番の歌詞は、『みかんの花咲く丘』の二番の歌詞との類似性がはっきりと認められる。

黒い煙(けむり)を はきながら
お船はどこへ 行くのでしょう
波に揺(ゆ)られて 島のかげ
汽笛がぼうと 鳴りました

<引用:『みかんの花咲く丘』二番の歌詞より>

特に、汽笛がボーと鳴る描写と、「お船はどこへ行くのでしょう」と疑問を投げかける箇所は特に明らかだ。

みかんの花咲く丘』は『月見草の花』の3年前に発表された曲なので、後者が前者から影響を受けている可能性があることになるだろう。

三番の歌詞について

『月見草の花』三番の歌詞を次のとおり引用する。

思い出の丘 花の丘
きょうも一人で月の海
じっとながめる足もとに
ほのかに匂う月見草

<引用:『月見草の花』三番の歌詞より>

思い出の丘で一人たたずむ様子を描いた三番の歌詞は、またも『みかんの花咲く丘』の歌詞をほうふつとさせる内容となっている。

みかんの花が 咲いている
思い出の道 丘の道

<引用:『みかんの花咲く丘』一番の歌詞より>

今日もひとりで 見ていると
やさしい母さん 思われる

<引用:『みかんの花咲く丘』三番の歌詞より>

『月見草の花』三番の「思い出の丘 花の丘」が、『みかんの花咲く丘』における「思い出の道 丘の道」の部分と似通っているのが分かる。

また、「きょうも一人で月の海」の部分は、「今日もひとりで 見ていると」と前方一致しているのが確認できる。

これらが偶然の一致なのか、オマージュなのか、筆者には分からないが、『みかんの花咲く丘』や『港が見える丘』は言わずと知れた当時の大ヒット曲なので、これらの楽曲から何らかの影響を受けている可能性は十分にあり得るだろう。

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