ます シューベルト

シューベルト(Franz Peter Schubert/1797–1828)

『ます』(Die Forelle/The Trout) Op.32 (D.550) は、オーストリアの作曲家シューベルトによる1817年作曲の歌曲(D.550)。

ドイツの詩人シューバルト(Christian Schubart/1739-1791)の詩に曲がつけられた。

歌詞の内容は、ずる賢い漁師が罠を使って魚を吊り上げるさまを歌ったもの。

ちなみに、シューベルト『ピアノ五重奏曲「ます」(D.667)』の第4楽章は、この『ます(Die Forelle)』の変奏曲として知られている。

【YouTube】シューベルト ます

歌詞の意味・日本語訳(意訳)

In einem Bächlein helle,
Da schoß in froher Eil
Die launische Forelle
Vorüber wie ein Pfeil.

Ich stand an dem Gestade
Und sah in süßer Ruh
Des muntern Fischleins Bade
Im klaren Bächlein zu.

澄んだ小川で泳ぎゆぐ鱒(ます)
力強く矢のように過ぎていく
私は岸辺でくつろぎながら
元気な魚を眺めてた

Ein Fischer mit der Rute
Wohl an dem Ufer stand,
Und sah's mit kaltem Blute,
Wie sich das Fischlein wand.

So lang dem Wasser Helle,
So dacht ich, nicht gebricht,
So fängt er die Forelle
Mit seiner Angel nicht.

釣竿かついだ漁師が一人
魚の動きをじっくり見てる
こんなに澄んでる川の中では
針に魚はかかるまい

Doch endlich ward dem Diebe
Die Zeit zu lang. Er macht
Das Bächlein tückisch trübe,
Und eh ich es gedacht,

So zuckte seine Rute,
Das Fischlein zappelt dran,
Und ich mit regem Blute
Sah die Betrogene an.

しびれを切らした釣り人は
小川を掻き混ぜ にごらせた
すると釣竿ぴくりと動き
罠にかかった哀れな鱒は
釣られて陸で跳ね回る

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