有名な二胡奏者

中国を代表する古楽器・二胡を華麗に操る女性奏者たち

伸びやかで優雅な音色が特徴の中国の古楽器・二胡(にこ)。男性による二胡の演奏も素晴らしいが、女性奏者が民族衣装などを身にまとい華麗に弦を操る姿は、二胡の柔らかい音色と相俟って、その姿全体からは一つの芸術作品のような優美ささえ感じられる。

このページでは、中国を代表する二胡奏者のうち、特に日本でも知名度の高い女性奏者について、日本のテレビ番組テーマ曲などで参加した曲やCDアルバムの情報などを幅広くまとめていくこととしたい。

チェン・ミン(陳敏/Chen Min/1968-)

中国蘇州生まれ、上海出身の女性二胡奏者。出身地にちなんだ日本の名曲『蘇州夜曲』(そしゅうやきょく)カバー曲をレパートリーに持つ。

WINGS~The Best of Chen Min~(DVD付) 試聴あり

1993年から4年間、東京・一ツ橋の共立女子大学に通い日本文学を専攻。1998年6月には日本でCDデビューを果たし、2003年には日本ゴールドディスク大賞特別賞を受賞するなど人気を高めていった。

日本のテレビ番組やドラマ、映画音楽にも多数参加しており、 2002年公開の映画「たそがれ清兵衛」サントラ、2004年のNHKアニメ「火の鳥」オープニングテーマ曲、NHK「サンデースポーツ」オープニングテーマ『Believe』(ビリーブ)、2007年のテレビ東京ドラマスペシャル「李香蘭」(りこうらん)、同年のNHK大河ドラマ「風林火山」紀行などが有名。

ウェイウェイ・ウー(巫 謝慧/WeiWei Wuu/1968-)

こちらも上海出身の女性二胡奏者。二胡のスタンディング奏法を考案した現代二胡の第一人者。ジャズやクラシック、ポップスなど、あらゆるジャンルと二胡との融合を図り、二胡による新たな表現スタイルを模索している。

華胡蝶~The BEST of WeiWei Wuu(NHK「ダーウィンが来た!」エンディング曲収録)

上海戯曲学校で二胡とヴァイオリンを専攻し首席で卒業。その後1991年に来日し、東京都国立市にある桐朋学園でヴァイオリンを学ぶかたわら、二胡を通じて日本の様々なジャンルの音楽家らとのコラボレーションにも努めていった。

2002年5月に日本でメジャー・デビュー後、NHK「みんなのうた」やサントリー・ウーロン茶のTVCMソング(2005年)、2007年にはNHK「ダーウィンが来た!」エンディング・テーマ曲、NHK-BS「ほっと@アジア」テーマ曲、PS3/Wii向けゲーム「戦国BASARA3」ED曲『逆光』、2010年映画「ドラえもん のび太の人魚大海戦」劇中音楽など、様々な方面で活躍している。

ジャン・ショウイェン(姜暁艶/Jiang Xiaoyan/1965-)

中国・大連市生まれの女性二胡奏者。医学博士(心臓内科医)の肩書を持つ異色の二胡アーティスト。1997年広島大学医学部の客員研究員として来日し、2002年には医学博士号を取得した。

広島を中心に二胡のコンサート活動を積極的に行っており、NHK関連番組での演奏やトークも数多くこなしている。2007年8月には24時間テレビ 「愛は地球を救う」にも出演した。日本の名曲をカバーしたCDアルバムもいくつかリリースしている。