Sipping Cider Through a Straw
ストローでサイダーを飲みながら

森のくまさん原曲『The Other Day, I Met a Bear』とは関係ない?

『Sipping Cider Through a Straw』(スィッピン・サイダー・スルー・ア・ストロー/意味:ストローでサイダーを飲みながら)は、1919年にアメリカで出版されたコミックソング。

作詞・作曲:カレー・モルガン(Carey Morgan/1885–1960)、リーディビッド(Lee David/1891–1978)。

Sipping Cider Through a Straw ストローでサイダーを飲みながら

写真:『Sipping Cider Through a Straw』楽譜表紙(出典:Wikipedia)

この曲については、『森のくまさん』の原曲『The Other Day, I Met a Bear』のルーツとして言及する解説がネットで見られるが、歌詞の一部が部分的に一致するだけで、メロディの系統がまったく異なる別モノの楽曲。

『The Other Day, I Met a Bear』のルーツはこの曲ではなく、1894年に出版された『Sucking cider thro' a straw』(サッキング・サイダー・スルー・ア・ストロー/ストローでサイダーを飲みながら)という楽曲。

さらに、『The Other Day, I Met a Bear』に直接影響を与えた楽曲は、1953年にリリースされた『Sippin' Soda』(スィッピン・ソーダ/意味:ソーダを飲みながら)と考えられる。

【YouTube】Sipping Cider Through a Straw 1919

歌詞の意味・和訳(意訳)

The Sweetest girl I ever saw
Was selling cider
in a grocery store.
At half-past six
when the sun would set,
I used to go to see my pet,

She'd take the key
and lock the door,
We'd get some cider
and a big long straw.

今までで一番の
最高にカワイイあの娘
雑貨店でサイダー売ってた
日も暮れかける6時半
あの娘に会いに行ってた

彼女は鍵で店を閉めて
二人でサイダーを飲んだものさ
大きくて長いストローで

CHORUS:
Thipping thider thru a thtraw,
We sat there
for hours or more
I thipped firtht
and she thipped latht
But she thipped motht
because she thipped tho fatht.

ストローでサイダーを飲みながら
僕等はずっと座ってた
僕が先に飲んで
彼女が後に飲んだ
でも彼女が勢いよく吸って
ほとんど全部飲んじゃった

We thipped till
our thtraw did thlip,
and I thipped thider
from her lip,

That's how I won
my mother-in-law
Thipping thider
thru a big, long thtraw.

ストローが口からすべって抜けて
彼女の口からサイダーを飲んだ
これで義理の母とうまくやった
大きく長いストローで
サイダーを飲みながら

When first I saw her with a straw,
Said I to "she,"
"What are you doing that for?"
Said she to me:
"Why don't you know?
That sipping cider's all the go?"
She was so sweet,
as sweet can be,
But sipping cider
was the end of me.

ストロー使ってる彼女を最初に見たとき
「それで何やってんの?」と聞いてみたら
「知らないの?ストローで
サイダーを飲むのが流行ってんのよ」
彼女はとても可愛かった
これ以上ないってぐらいに
でもそれは僕の終わりだった

Cheek to cheek
like Paw and Maw,
We thipped till
our lipth got sore,
Now I've got ten kids or more,
Thipping thider
thru a big, long thtraw.

寄せ合う ほおとほお
パパとママみたいに
僕等は飲み続けた
唇がはれ上がるまで
今じゃ子供が10人以上
大きく長いストローで
サイダーを飲みながら

歌詞のルーツ・元ネタは1894年

男女が一緒にストローでサイダーを飲むという歌詞のストーリーは、1894年の楽曲『Sucking cider thro' a straw』(サッキング・サイダー・スルー・ア・ストロー/ストローでサイダーを飲みながら)が元ネタとなっている。

メロディは全く別の曲。元ネタの方のメロディは、童謡『森のくまさん』の原曲『The Other Day, I Met a Bear』のルーツとなっている。

下は当時の楽譜表紙。3コマのイラストで歌詞のストーリーが分かりやすい。

Sucking cider thro' a straw 楽譜表紙 ストローでサイダーを飲みながら

写真:Sucking cider thro' a straw 1894(出典:The Library of Congress)

当時の歌詞と意味・和訳は次のとおり。歌詞が簡潔で展開が早い。義理の母が出来たというくだりは、彼女と結婚して彼女の母が義理の母になったという意味。

Sucking cider thro' a straw 1894

1.
The funniest girl
that ever I saw,
Was sucking cider
thro' a straw.

The funniest girl
that ever I saw,
Was sucking cider
thro' a straw.

今までで一番面白い女の子
ストローでサイダーを飲んでる

<注:同じ歌詞を2回繰り返して歌う。以下、重複部分を省略>
2.
Said I to she,
"Will you show me more,
How you suck'd
that cider thro' a straw?"

彼女に話しかけた
もっと見たいな
君がストローで
サイダーを飲むのを

3.
Said she to me,
"I didn't think you saw
Me sucking cider
thro' a straw."

彼女は言った
見られてるとは思わなかったわ
ストローでサイダーを飲むのを

4.
So cheek by cheek
and jaw by jaw,
We suck'd that cider
thro' a straw.

頬と頬 あごとあご
一緒にストローで
サイダーを飲んだ

5.
Until at last,
that straw did slip,
I stole some cider
from her lip.
ついには
ストローが滑り落ちて
彼女の口から
サイダーを飲んじゃった

6.
And now I've got
a mother-in-law,
Thro' sucking cider
thro' a straw.

それがきっかけで
義理の母ができた
ストローでサイダーを
飲んでたらね

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