幻想交響曲 ベルリオーズ

ベルリオーズ(Louis Hector Berlioz/1803-1869)

ベルリオーズ:幻想交響曲(初回生産限定)【高音質HQCD】

『幻想交響曲』は、フランスの作曲家ベルリオーズが1830年に作曲した最初の交響曲。

失恋による絶望から服毒自殺を図った若い音楽家の幻想と夢が描写されている。実は、このストーリーはベルリオーズ自身の実体験が元になっている。

女優に恋をしたベルリオーズ

1827年、ベルリオーズはパリでシェイクスピア劇団による「ハムレット」を観た。その中でオフィーリアを演じたハリエット・スミスソンに熱烈な恋心を抱いた。

手紙を出して面会を頼むなどの行動に出たが、彼女への思いは通じず、やがて劇団はパリを離れてしまう。

ベルリオーズは、スミスソンを引きつけるために大規模な作品を構想するが、激しい孤独感の中、愛ゆえの憎しみの念が募るばかりだった。そんな中、この『幻想交響曲』は作曲された。

各楽章の構成 ~愛する女性への情熱と狂気~

ベルリオーズ:幻想交響曲

『幻想交響曲』は5つの楽章から構成され、女優ハリエット・スミスソンへの愛を表す旋律が、楽曲のさまざまな場面において登場する。

第1楽章「夢、情熱」では、彼女への強い愛情・熱狂、第2楽章「舞踏会」では、華やかで流麗なワルツのメロディーが愛の喜びを奏でる。

第3楽章「野の風景」で描写されるのは、田園地帯を思わせる牧歌的なのどかな情景。しかし、愛を失う恐怖が脳裏によぎると、やがてそれは疑心と憎しみに変わっていった。

第4楽章「断頭台への行進」の中で、主人公は失意の中、服毒自殺を図る。彼は夢の中で愛していた彼女をあやめ、断頭台へ引かれていく。行進曲は時に暗く荒々しく、時に華やかに、そして厳かに移りゆく。

そして最後の第5楽章「ワルプルギスの夜の夢(サバトの夜の夢)」では、主人公の葬儀に集まった魔物達のうめき声や笑い声が響きわたる。

グレゴリオ聖歌『怒りの日』(Dies Irae)が主題に用いられ、全管弦楽の咆哮のうちに圧倒的なクライマックスを築いて曲が閉じられる。

ヴェルディ『怒りの日(ディエス・イレ)』

フランツ・リスト『死の舞踏』

エピソード ~ベルリオーズの恋の行方は?~

女優ハリエット・スミスソンが属するシェイクスピア劇団がパリを離れた後、ベルリオーズはピアニストのマリー・モークと知り合い、恋愛関係に発展する。

婚約関係まで進んだベルリオーズとモークだったが、彼女の母によって1831年に破局させられ、モークはプレイエルの息子カミーユと結婚してしまう。

失意のどん底に落とされたベルリオーズ。しかし神は彼を見捨てはしなかった。

なんと翌1832年、女優スミスソンと再会を果たしたのだ。彼女は「幻想交響曲」の再演を聴きに来ていたのである。

それをきっかけに、ベルリオーズの心に再び火がつき、今度はスミスソンも彼の愛を受け入れた。ベルリオーズの当初の目的は叶い、2人は1833年に結婚している。

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