ラコッツィ行進曲

ハンガリーの大貴族ラコッツィの名を冠した行進曲

『ラコッツィ行進曲』は、ハンガリー第2の国歌として親しまれる作曲者不詳のマーチ。『ラーコーツィ行進曲』、『ハンガリー行進曲』とも呼ばれる。

反ハプスブルク独立戦争を指導したハンガリーの大貴族ラコッツィ(ラーコーツィ)・フェレンツ2世(II. Rákóczi Ferenc/1676-1735)の名を冠している。

上の挿絵で中央左の白馬にまたがる人物がラコッツィ(ラーコーツィ/出典:Wikipedia)。

今日ではハンガリーの英雄として称えられ、500フォリント紙幣に肖像が用いられているほか、ハンガリー各地に銅像が建立されている。

一説によれば、『ラコッツィ行進曲』は17世紀末期に作曲され、ラコッツィ自身もこの曲を大変気に入っていたとのこと。当時からこの曲名だったのか等、詳細は不明。

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クラシック音楽とラコッツィ行進曲

『ラコッツィ行進曲』は、クラシック音楽の世界でいくつか引用されている。有名な作品としては、19世紀フランスの作曲家ベルリオーズによる劇的物語「ファウストの劫罰」中の『ハンガリー行進曲』が広く知られている。

ラーコーツィ・フェレンツ2世

挿絵:ラーコーツィ・フェレンツ2世(出典:Wikipedia)

19世紀ハンガリーの作曲家フランツ・リスト(Franz Liszt/1811–1886)は、ピアノ独奏曲集『ハンガリー狂詩曲』の中で、第15番 イ短調『ラーコーツィ行進曲 Rákóczi-Marsch』を作品に組み込んでいる。

19世紀ドイツの作曲家ヨハネス・ブラームス(Johannes Brahms/1833-1897)も、ハンガリーのジプシー(ロマ)音楽に基づいて編曲した舞曲集『ハンガリー舞曲』において、『ラコッツィ行進曲』のメロディを自身の作品へ取り入れている。

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